洋食のシェフや専門料理店がポテトサラダやマッシュポテトを作る際、ほぼ例外なく実践しているのがじゃがいも皮付き茹で方です。皮をむいてから小さく切って茹でると、断面から水分が大量に侵入し、同時にビタミンCやカリウムなどの水溶性栄養素と糖分が茹で汁へ流出してしまいます。
皮付きのまま茹でるメリットは、皮が天然のバリアとなって余分な水分の侵入を遮断し、デンプンが水っぽくふやけるのを防ぐ点にあります。これにより、茹で上がったじゃがいもを潰した際、驚くほど濃厚でホクホクとした仕上がりになります。
皮をきれいに剥くためのプロの技法として、茹でる前にじゃがいもの赤道部分(中心部)に包丁の刃先で浅く1周ぐるりと切れ目を入れておく方法が挙げられます。茹で上がった直後に冷水へ数秒だけ浸すと、熱収縮の差によって切れ目から皮が左右へツルンと滑るように剥けます。
また、じゃがいも茹で方塩の量についても見逃せないポイントです。目安となる濃度は水に対して約1%(水1リットルに対して塩大さじ半分強・約10g)です。塩を加えることで沸点をわずかに上げるとともに、じゃがいもに適度な下味が入り、デンプンの甘みが際立ちます。特にポテトサラダに使用する場合は、茹で段階で塩分を行き渡らせておくことで、マヨネーズの過剰な使用を抑え、素材の味を引き立てる効果があります。