掲示板で定期的に蒸し返され、売り材料として利用されるのが川崎重工の潜水艦問題の真相です。自衛隊員との不適切な金品授受や架空取引を巡る問題が報じられた際、ネット上では「防衛省からの指名停止で防衛事業が消滅するのではないか」「潜水艦建造から完全排除される」といった過激な憶測が独り歩きしました。
しかし、防衛装備庁の調達構造や過去の重工他社の事案を精査すると、ネット言説と防衛調達の現実には大きな乖離があります。日本の通常動力型潜水艦の建造・修繕は、川崎重工業と三菱重工業の2社による高度な寡占体制で維持されており、安全保障上の観点からも代替が不可能な国家インフラです。公式発表資料や特別調査委員会の最終報告によると、同社は外部弁護士を入れた徹底的なコンプライアンス改革と幹部の処分を断行。過大請求分の返納手続きを進めたことで、制度としての最悪シナリオであった「無期限の指名停止」や「潜水艦事業からの撤退」という事態は回避されました。
市場が恐れていた法的・制度的破滅リスクはすでに織り込まれており、現在の掲示板で叫ばれる「防衛ビジネス破綻論」は、投機的な空売り勢が不安を煽るためのレトリックに過ぎないことが取材からも裏付けられています。