旭川のジンギスカンを語る上で、避けて通れないのが「生ラム」と「味付け(味付ジンギスカン)」の宗派争いだ。前者は新鮮な肉を焼き、後から秘伝のタレをつけて食すスタイル。後者はあらかじめタレに漬け込んだ肉を、野菜と一緒に煮込むように焼くスタイルである。どちらが優れているかという議論は、地元ではタブーに近い。なぜなら、どちらも狂信的なファンを抱えているからだ。
特に近年は、チルド技術の向上によって「生ラム」のクオリティが飛躍的に向上した。かつて羊肉独特のクセを敬遠していた人々が、旭川で生ラムを口にした瞬間、その柔らかさとジューシーさに目を丸くする。肉が焼ける。煙が舞う。それだけで、胃袋が歓喜の声を上げるのだ。