数字の比較だけでは見えてこないのが、新潟交通バスを選ぶ利用者の動機です。「JRが15分・240円なら、バスを選ぶ理由はないのではないか」という疑問が生じるのは当然ですが、現場を歩くと異なる実情が見えてきます。
小針エリアは駅を中心に住宅街が広がっているものの、幹線道路である西大通り沿いや小針南、小針西といった住宅街の深部から小針駅までは徒歩で15〜20分を要するエリアが少なくありません。新潟駅前から「W2 西小針線」や「BRT萬代橋ライン(青山乗り換え)」を利用した場合、自宅や目的地の目の前にあるバス停まで乗り換えなし、あるいは極小の歩行距離で直行できます。「小針駅まで歩く時間+電車の待ち時間+新潟駅でのホーム移動」を合算すると、バスとのトータル所要時間差は10〜15分程度に縮まります。
さらに見逃せないのが車内の快適性です。JR越後線の朝ラッシュ時は内野・新潟大学前方面からの通学・通勤客で車内が鮨詰め状態になり、小針駅から乗車する段階では吊り革に掴まることすら難しい日があります。対して路線バスは便数が多く、経由地によっては始発近くからゆったり着席して移動できます。「座ってスマートフォンで業務メールを処理する」「読書に集中する」という時間の質を重視する層にとって、バスは決して劣った選択肢ではありません。