日本相撲協会の歴史と共に磨かれてきた伝統のスープ。各相撲部屋には、門外不出とされる独自の出汁や隠し味が厳重に受け継がれている。鶏ガラを何時間も煮込んだ濃厚な白湯ベースから、あっさりとした醤油仕立て、さらには秘伝のみそダレまで、そのバリエーションは実に多彩だ。
特に「手を突かない」=「手をつかない鶏」にあやかり、初日や千秋楽などの縁起を担ぐ場面では鶏肉ベースの料理が振る舞われるのが鉄則。具材の切り方一つにも意味があり、新弟子たちが受け継ぐ包丁裁きはそのまま部屋の流儀となる。秘伝レシピは単なる料理の工程ではなく、師匠から弟子へと受け渡される部屋の魂そのものなのだ。