鉄分補給を試みる際、多くの人が直面するのが「レバーを食べ続けなければならないのか」というプレッシャーです。確かに豚レバー(100gあたり鉄分約13.0mg)や鶏レバー(同約9.0mg)は圧倒的な数値を誇りますが、日常的なメニューとして定着させるにはハードルが高いのが現実です。
鉄分は、大きく分けて肉や魚などの動物性食品に含まれるヘム鉄と、野菜や豆類、海藻などの植物性食品に含まれる非ヘム鉄の2種類に分類されます。分子構造の違いから、体内への吸収率はヘム鉄が15〜25%であるのに対し、非ヘム鉄は2〜5%にとどまります。この吸収率の差こそが「植物性食品だけでは鉄分が補いにくい」とされる根本的な理由です。
しかし、近年の臨床栄養学では、非ヘム鉄の吸収率は一緒に摂取する栄養素によって柔軟に変動することが証明されています。赤身の魚や貝類、大豆製品、緑黄色野菜を適切に組み合わせれば、レバーに依存することなく十分な必要量を確保できます。
レバー以外の鉄分豊富食品の実力値
毎日の食卓に取り入れやすいレバー以外の鉄分豊富食品として、まず挙げられるのが魚介類です。特に「あさり(水煮缶含む)」は100gあたり約3.8mg、「かつお」は約1.9mg、「まぐろの赤身」は約1.2mgの良質なヘム鉄を含んでいます。さらに大豆製品である「厚揚げ」は100gあたり約2.6mg、「納豆」1パック(50g)で約1.7mgの非ヘム鉄を手軽に摂取可能です。