炎上のスピードを加速させている最大の要因は、X(旧Twitter)を中心としたショート動画の拡散力にある。60分の生放送の中で交わされた前後の文脈やニュアンスは容赦なく削ぎ落とされ、最もセンセーショナルな10秒間だけが一人歩きを始める。タイムライン上に突如として現れるその断片は、アルゴリズムの手によって強い感情的反応を呼ぶ標的へと仕立て上げられる。
こうしたネット炎上のメカニズムにおいて、事実確認の有無は二次的な問題に過ぎない。「失言した」という見出しそのものがエンターテインメントとして消費され、怒りの連鎖が自己増殖していく。画面の前で発言を受け止める視聴者と、ネット上の切り抜きだけを見て憤るユーザーとの間には、埋めがたい認知の断絶が生じている。