汚言症とは?暴言が止まらない原因とトゥレット症候群の誤解を徹底解剖

汚言症とは?暴言が止まらない原因とトゥレット症候群の誤解を徹底解剖

汚言症とは?暴言が止まらない原因とトゥレット症候群の誤解を徹底解剖の詳細について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。

汚言症(英名:Coprolalia / コプロラリア)とは、医学的に「本人の意図に反して、社会的にタブーとされる卑猥語、罵倒語、排泄に関わる言葉などを不随意に発してしまう症状」を指します。語源はギリシャ語の「kopros(糞・汚物)」と「lalia(話すこと)」に由来し、古くから神経学の領域で研究されてきました。

日常の会話で感情的になって発する暴言と、汚言症による発声には決定的な違いがあります。それは「自分の意思でコントロールできない(不随意である)」という点です。心の中では「絶対に言ってはいけない」と激しく拒絶しているにもかかわらず、まるでくしゃみやしゃっくりが出るかのように、意図しない言葉が口から飛び出してしまいます。

医学的な位置づけを整理すると、汚言症は単独の病名ではなく、神経発達症群に分類される「チック症」の中の「音声チック」、さらにその中でも高度な「複雑音声チック」の一症状に分類されます。複数の運動チック(まばたき、首振りなど)と1つ以上の音声チックが1年以上持続する状態を「トゥレット症候群(トゥレット症)」と呼びますが、汚言症はその代表的な重症症状として知られています。

疾患・症状の区分主な症状と特徴発症率・出現頻度のデータ医学的評価・臨床の現場感単純チック症まばたき、咳払い、鼻を鳴らす、首をすくめる等の単一動作学童期の子どもの約10〜20%に一時的出現多くは成長に伴い自然軽快。特別な治療を要さないケースが主流トゥレット症候群多彩な運動チックと1種類以上の音声チックが1年以上持続人口の約0.3〜0.8%(男児に多く女児の3〜4倍)小児期(4〜6歳頃)に好発。青年期以降に軽快する例も多いが慢性化も汚言症(コプロラリア)暴言、卑猥語、攻撃的単語などを不随意に叫ぶ・口走るトゥレット症候群患者のうち約10〜20%のみに発現メディアの影響で「トゥレット症=汚言症」と誤解されがちだが実際は一部

世間一般では「トゥレット症候群の人は全員が暴言を吐く」といった極端なイメージを持たれがちですが、統計データが示す通り、汚言症を伴うのは患者全体の1割から2割程度にとどまります。この認知のズレが、当事者に対する偏見を無用に拡大させる要因となっています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。