内診グリグリの効果を大きく左右するもう一つの要因が、「初産婦(経産婦でない人)」と「経産婦」の生理学的構造の違いです。産婦人科診療の現場でも、内診グリグリを契機とした分娩進行スピードには歴然とした差が現れます。
初産婦の場合、子宮口は「まず薄くなり(頸管の展退)、その後に開大する」という段階を踏むため、子宮口が開く兆候(粘液栓の排出や不規則な張り)が表れてから本陣痛に至るまで数日を要することが珍しくありません。対して経産婦は、展退と開大が同時に進み、産道がすでに一度出産を経験して柔軟性を保っているため、内診グリグリの物理的刺激をきっかけにわずか数時間で急速に分娩へ移行するケースが多発します。
初産婦の場合、内診グリグリの後に起こる痛みが前駆陣痛か本陣痛かの判別で混乱するケースが目立ちます。痛みが15分間隔になったり20分間隔に戻ったり、横になると遠のく場合は前駆陣痛です。姿勢を変えても規則正しく10分間隔(あるいは1時間に6回以上)で痛みが押し寄せ、徐々に痛みの強度が増していく状態になって初めて本陣痛と診断されます。