アルコール度数が同等である他の酒類(ワインやハイボールなど)と比べても、スト缶は圧倒的に「悪酔いしやすい」「記憶を失いやすい」と囁かれてきました。その背景には、飲料としての構造的な罠が存在します。
サントリーのストロングゼロ 9%などに代表されるストロング系RTD(Ready to Drink)は、ウォッカなどの高純度スピリッツをベースに、強炭酸と果汁フレーバー、そして人工甘味料を絶妙に調合して作られています。この組み合わせが、エタノール特有の刺激やアルコール臭を極限までマスキングしてしまうのです。
本来、度数の高い酒は喉が焼けるような感覚や苦味を伴うため、自ずと飲むペースが落ちます。ところがスト缶はジュースのように爽快で甘く、冷えているため、ハイペースでの飲酒が容易にできてしまいます。その結果、胃腸からのアルコール吸収が急速に進み、血中アルコール濃度が垂直立ち上がりを起こすのです。
さらに炭酸ガスには胃の運動を活発にし、小腸へのアルコール移行を早める作用があります。脳が「酔い」を自覚する前に致死量近いアルコールが巡り、急激な酩酊状態、激しい頭痛や嘔吐、急性アルコール中毒のリスクを跳ね上げる構造ができあがっています。