国立西洋美術館の心臓部といえるのが、実業家・松方幸次郎が収集した「松方コレクション」です。第一次世界大戦期から1920年代にかけてヨーロッパで買い集められた名品群は、第二次世界大戦を経てフランス政府に接収されましたが、日仏友好の証として日本へ寄贈返還されました。この松方コレクションの歴史と返還に至る経緯こそが、1959年の国立西洋美術館設立の原点となっています。
現在開催・予定されている国立西洋美術館の企画展(2026年)では、国内外の主要美術館との共同企画による大型巡回展がラインナップされており、西洋絵画の潮流を革新的な切り口で読み解く展示が展開されています。
一方で、美術ファンから絶大な支持を集めているのが、上野の国立西洋美術館における常設展の見どころです。中世末期から20世紀初頭までの西洋美術史を1本の動線で網羅しており、以下のような世界的名作を日常的に鑑賞できます。
- クロード・モネ『睡蓮』:松方がジヴェルニーのモネ邸を直接訪れて購入した記念碑的傑作。光と水の揺らぎが見事に表現されています。
- パブロ・ピカソ『男と女』:キュビスム以降の奔放な筆致と強烈なエネルギーが宿る晩年の重要作。
- オールド・マスターの名画群:ルーベンス、クラナッハ(父)、ヴェロネーゼなど、ルネサンスからバロック期の宗教画・肖像画がずらりと並びます。