混乱の根本には、名前を呼ぶ順番の違いがある。日本語は「家」を重んじる文化背景から「姓・名」の順で表記するが、英語圏では「個人の識別」を優先して「名・姓」の順序を採用している。つまり、最初に来る名前だから「First Name=名前(下の名前)」、最後に来る名前だから「Last Name=苗字(姓)」という極めてシンプルな論理に基づいている。
日本国内の公的議論でも、外務省などが主導して「姓-名」順のローマ字表記を推進する動きがあるものの、民間のグローバルシステムや海外の入国管理現場では依然として伝統的な英語順が標準だ。この表記規格の過渡期にある現状こそが、利用者の迷いを深める要因となっている。