メイドインチャイナとは何か?品質激変の真相と世界が選ぶ5つの理由

メイドインチャイナとは何か?品質激変の真相と世界が選ぶ5つの理由

メイドインチャイナとは何か?品質激変の真相と世界が選ぶ5つの理由の具体的な内容に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

「なぜ米国のアップルや日本の名門ブランドは、地政学リスクが叫ばれる環境下でも中国での生産を継続するのか?」という問いに対し、表面的な報道だけでは見えてこない製造現場の冷徹な力学があります。

アップル中国製造理由の根底にあるのは、単なるコストの問題ではなく「人的リソースの規模と即応力」です。米アップルの元CEOスティーブ・ジョブズや現CEOティム・クックは、歴代の記者会見やインタビューにおいて「米国ではボール紙工場に集まる技術者すら見つけるのが難しいが、中国では数万人の優秀な生産技術エンジニアが工場の敷地内に即座に集まる」と公言してきました。新型iPhoneの量産開始直前、設計の微細な変更が生じた際、深夜であっても数時間で何万人ものオペレーターを稼働させ、金型を削り直して翌朝にはラインをフル稼働させる機動力は、現時点で中国以外のいかなる国にも再現できません。

さらに、グローバル製造業を支えるOEM製造実態も大きな変貌を遂げています。製品の企画・回路設計から製造までを一貫して受託するODM(Original Design Manufacturer)企業が台頭し、日米欧のメーカーが外装デザインとロゴだけを提供して中身は中国のメガサプライヤーに一任するケースが日常化しました。

ここで知っておくべきは、日本メーカー中国製違いの本質です。「日本メーカーの中国製」と「中国現地の格安ブランド品」の間には、明確な分水嶺が存在します。日本メーカーが関与する工場では、日本から派遣された品質管理責任者が常駐し、抜き取り検査の頻度、部材の難燃性試験、落下衝撃テストなど何重もの安全マージンを設定しています。対して、超格安ノーブランド品はそれらの試験費用と検品工数を限界まで削ぎ落とすことで安さを実現しています。「どこで作られたか」ではなく、「誰のどのような管理基準で作られたか」こそが、現代の品質を決定づける唯一の尺度です。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。