宇宙から微弱なスマホの電波を拾い上げるという難題を解決したのが、試験衛星BlueWalker 3の存在だ。軌道上で広げられた巨大なアレイアンテナは、実に約64平方メートルという圧倒的な面積を誇る。この巨大な受波面こそが、地球上の一般的なスマホとの間で高速データ通信を可能にする核心技術となっている。
宇宙空間でのアンテナ展開実験に成功した際、業界関係者には衝撃が走った。低軌道から地上の市販端末へ向けて、5Gレベルの通信速度を記録したからだ。高度な電気通信事業を展開する各社が模索していた「全地球カバー」の理想が、一気に現実的なスケジュールとして動き出した瞬間だった。