1990年代半ば、彗星のごとく現れた吉川ひなのは、その圧倒的な透明感と独自のスタイルで一世を風靡した。CM、ドラマ、ファッション誌。テレビをつければ彼女の姿を見ない日はないほどのブレイクだった。
しかし、画面の向こう側の華々しさとは裏腹に、彼女の足元は常に崩れ落ちそうだったという。幼い頃から家計は困窮しており、彼女が芸能界で稼ぎ出す莫大な収入は、そのまま家族の生活費や借金返済へと消えていった。自分が働かなければ家が回らない。少女に課せられた重圧は、言葉に絶するものだった。
「自分が親の収入源になっているのではないか」という疑念。それは彼女の心に、消えることのない暗い影を落とし続けることとなる。