ラルフローレンのポロシャツが2万円を超えるのに対し、ユーエスポロアッスンはセール時であれば3,000円前後で手に入ります。この圧倒的な価格差に接すると、「粗悪な素材を使っているのではないか」「偽物だから安いのではないか」と疑心暗鬼になる消費者が少なくありません。しかし、ユーエスポロアッスンがなぜ安いのか、その理由はアパレル業界特有の合理的なビジネスモデルにあります。
最大の要因は、「マスターライセンス契約」による現地生産システムの確立です。全米ポロ協会は世界各国でアパレル製造・販売を行う有力商社やアパレルメーカーに対してブランド名の使用権(ライセンス)を供与しています。日本国内においても、バッグや服飾雑貨、ウェアごとに大手専門商社や企画会社がライセンシーとなり、日本人の体型やトレンドに合わせた商品をアジア圏の提携工場で大量生産しています。
高級メゾンが行うような莫大なランウェイショーの開催費用や、銀座や表参道の一等地に構える巨大旗艦店の維持管理費、ハイエンドな広告宣伝費が販売価格に上乗せされていません。さらに、ECモールやチェーン展開するセレクトショップ、カジュアル量販店へ大量に卸すことで「規模の経済(スケールメリット)」を効かせ、原価率を抑えながら安定した品質を維持しています。決して怪しい裏工作があるわけではなく、極めて真っ当なサプライチェーンの最適化によってあの良心的な価格が成り立っているのです。