先天性耳瘻孔を根本的に治癒させる唯一の方法は、袋状になった瘻管組織を外科的に残さず切除する「瘻管摘出手術」である。抗菌薬による薬物療法はあくまで一時的な炎症の消炎処置に過ぎず、瘻管そのものが体内に残っている限り再発のリスクは消えない。
厚生労働省が公表する医療統計や臨床データによれば、手術の最適なタイミングは「炎症が完全に収まっている静寂期」である。激しい炎症が起きている最中に手術を行うと、切除範囲が不明瞭になり再発率が上がるためだ。また、局所麻酔に耐えられる学童期以降(およそ10歳以上)や、大人の場合は仕事の都合に合わせた計画的な日帰り手術または短期入院での実施が一般的となっている。