タイムズ・アー・チェインジン 歌詞和訳に触れる際、多くのリスナーが息を呑むのが、冒頭から叩きつけられる聖書的な警鐘です。「Come gather 'round people / Wherever you roam(集まれ、各地を放浪する人々よ)」と呼びかけられるフレーズは、教会で語られる預言者の語り口そのものを踏襲しています。
第1連で歌われる「And admit that the waters / Around you have grown(足元で水嵩が増していることを認めよ)」という一節は、自らが創り上げた社会のシステムに溺れかけている大人たちへの痛烈な宣告です。ディランは救命ボートを差し伸べるのではなく、「骨までずぶ濡れになる覚悟があるなら、泳ぎ始めよ。さもなくば石のように沈むだけだ」と突き放します。
さらに第4連において、親世代に向けられた言葉は残酷なまでに本質を射抜いています。「Come mothers and fathers / Throughout the land / And don't criticize / What you can't understand(国中の父親や母親たちよ、自分たちに理解できないものを批判するな)」。若者たちが歩もうとしている新しい道は、旧世代の価値観では測れません。タイムズ・アー・チェインジン 意味・解釈の核心は、善悪の審判ではなく「不可避な新旧交代の宣告」にあります。
最終連では「The line it is drawn / The curse it is cast(すでに境界線は引かれ、呪文は放たれた)」と締めくくられ、現在の敗者が未来の勝者となり、今の一番手が最後尾へ転落する車輪の回転が描写されます。勝敗すら永続しないという諸行無常のトーンが、この歌を安直な勝利宣言から崇高な詩の領域へと押し上げています。