彼の名を世に知らしめた原点は、2018年5月9日にAbemaTVで配信された『日村がゆく』の企画「高校生フォークソングGP」第3回大会でした。当時15歳、静岡県浜松市からブレザー姿で登場した純朴な少年は、ひとたびギターを手頭に構えると驚愕のパフォーマンスを披露しました。
披露されたオリジナル楽曲『五月雨(さみだれ)』は、激しいストロークとともに紡がれる独特の言語感覚(「行方知れずのアンブレラ」「五月の雨に流されてく」など)が炸裂し、番組MCのバナナマン・日村勇紀氏は「ものすごいバケモノが現れた」と絶句。このアーカイブ映像はYouTubeで瞬く間に数千万回再生を記録し、音楽業界関係者による争奪戦へと発展しました。
しかし、本人は当時の過熱するブームに浮足立つことなく、独自の歩みを冷静に重ねていきました。2026年1月にアルバム『find fuse in youth』でソニー・ミュージックレーベルズよりメジャーデビュー。同作には『五月雨』のバンドアレンジ版『Samidare』や、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第5期第2クールEDテーマとなった『嘘じゃない』が収録され、アニメファンと音楽ファンの双方から高い評価を獲得しました。
そして2026年の『燈』に至るまで、彼は「弾き語りの天才少年」という枠組みを自ら軽やかに壊し、シンセサイザーや打ち込みサウンド、ストリングスを自在に操る現代的なサウンドクリエイターへと進化を遂げたのです。