安倍氏の米国留学歴については、政界入り以降、政治ジャーナリズムの格好の検証対象となってきた。特に南カリフォルニア大学(USC)での在籍形態や単位取得状況をめぐり、一部週刊誌や批判派メディアが過度な詮索を行った時期もある。正規の学位取得か聴講生扱いであったのかという形式的な議論が過熱した背景には、日本の政界における学歴観とスキャンダリズムの結合があった。
客観的な公的記録を照合すれば、彼が米国で政治学や国際関係論の講義を聴講し、現地で知見を深めた事実は明確だ。学術論文を量産する研究者を目指したわけではなく、国際都市ロサンゼルスで現地の政治熱気と日米の国力差を肌で体感したことこそが、実利的なリアリズムを重視する政治家・安倍晋三を決定づけた。