視覚的な拒絶として自覚されていながら、その実態は五感全体による総合判決であることも少なくない。人間は対面した相手に対し、目に見える顔立ちだけでなく、体臭(HLA遺伝子の相性)、声の周波数、さらには呼吸の間隔といった膨大な非言語データを瞬時に統合している。
遺伝子レベルで相性が悪いと感じる体臭や生体リズムの違和感を拾った際、脳はその理由を直感的に「相手の顔」という最も認識しやすい情報に置き換えて処理してしまうことがある。本質的には全身の感覚器が発した拒絶のシグナルでありながら、当人の意識の上では「顔が受け付けない」というわかりやすい形で言語化されるのだ。