全国のロードサイドや駅前を埋め尽くしたコンビニは、いまや物理的な出店余地の限界に直面している。そこで株式会社セブン‐イレブン・ジャパンが舵を切ったのが、これまで商圏として成立しなかった極小空間を狙う「マイクロマーケット」の開拓だ。
従来型のコンビニエンスストアを1店舗出店するには、まとまった床面積と一定以上の通行量、そして常駐するスタッフが欠かせない。だが、オフィスビルの専用フロア、工場、研究施設、コールセンターといった閉鎖空間には、店舗を構えるほどのスペースはないものの、確実な食事需要が眠っている。通称「セブン自販機」と呼ばれる専用機は、わずか畳1畳ほどの面積でこの未開拓市場を次々と攻略している。
無駄なコストを削ぎ落とし、需要があるピンポイントの場所にだけ商品を届ける。流通の巨人が導き出したこの一手は、小売業の陣取り合戦のルールを根本から書き換えつつある。