ネット上の情報や初心者コミュニティにおいて頻繁に見られるのが、「アールグレイ紅茶の香り付けに使われるベルガモット」との混同です。
紅茶の着香に使用されるのは、ミカン科の常緑高木である「ベルガモットオレンジ(Citrus bergamia)」の果皮から抽出された精油です。一方、草花であるモナルダが「ベルガモット」と呼ばれるのは、その葉の香りが柑橘のベルガモットに極めて酷似していることに由来する通称(ハーブ名)に過ぎません。
モナルダの葉もハーブティー(オズウィーゴ・ティーとして有名)やポプリとして利用可能ですが、柑橘の果樹とは植物学的に全く異なるシソ科植物であることを理解しておく必要があります。
また、もうひとつの盲点は「こぼれ種」への過度な期待です。園芸品種(モナルダ・ディディマの交配種など)は種から育てると親株と同じ花色や花姿が再現されない(先祖返りする)ことが多いため、お気に入りの品種を同一クローンで維持・増殖させるには、前述の「株分け」または「挿し木」を選択するのが鉄則です。
【プロの結論】モナルダ栽培が向いている人・慎重になるべき人の判断基準
モナルダは見応えのある花と芳香を兼ね備えた極めて魅力的な宿根草ですが、その野性味ゆえに向き不向きがはっきりと分かれます。
【モナルダ栽培に強く向いている人】
- ナチュラルガーデンや宿根草主体のイングリッシュガーデンを作りたい人
- 初夏〜夏の庭に鮮やかなフォーカルポイント(アイキャッチ)を作りたい人
- 毎年の剪定や2〜3年ごとの株分け・更新作業を garden work として楽しめる人
- ハーブティーやクラフト素材として葉や花を活用したい人
【導入に慎重になるべき・対策が必要な人】
- 「一度植えたら完全放置で手入れを一切したくない」と考えている人
- 極端に日当たりや風通しが悪く、湿気がこもりやすい庭を持つ人
- 狭小花壇で他の繊細な草花と混植し、境界管理ができない人(地下茎で他品種を圧倒してしまうため)