SNSやネット掲示板、知恵袋などの相談プラットフォームを調査すると、応援演説に関して「押し付けられて断れなかった」「候補者の自慢ばかり聞かされて退屈だった」という有権者や生徒側の不満が目立ちます。一方で、大きな共感を呼んだ演説の記録を紐解くと、そこには共通する「ある特徴」が存在します。
かつて地方選挙で話題を呼んだある推薦人の演説では、候補者の長所ではなく「弱点」から語り始められました。「彼は人前で話すのが極端に苦手で、声も小さく、要領もよくありません」。会場がざわめく中、推薦人はこう続けました。「しかし、市民から相談を受けたノートの厚さは誰よりも分厚く、解決するまで夜遅くまで現場に通い続ける男です」。この演説は瞬く間にSNSで拡散され、演説直後から支持率が急伸したという記録が残されています。
人は完璧な超人に対して親近感を抱きません。むしろ、不器用ながらも実直に前へ進もうとする姿に心を動かされます。心理学でいう「両面提示(メリットとデメリットの双方を提示すること)」を活用し、弱さを補って余りある人間的魅力を提示できたとき、演説は単なる儀礼から、魂を揺さぶる叙事詩へと変貌を遂げるのです。