「おいとま」は、漢字で「お暇」と表記します。もともと「暇(いとま)」とは、自由になる時間やすきまの時間、休暇、あるいは職や役目を辞することなどを指す古語でした。そこに丁寧の接頭辞「お」を冠した言葉が「おいとま(お暇)」です。
語源の由来をたどると、他人の家を訪れた者が「相手の貴重な時間を割いてもらっている状態から離れ、自由な時間(暇)を返す」という配慮から、立ち去ること・辞去することを「お暇をもらう」「お暇する」と表現するようになりました。つまり、「長居をしてお相手の時間を奪うのを遠慮し、引き揚げる」という深い気遣いが込められた語彙です。
似た言葉に「暇乞い(いとまごい)」がありますが、両者には明確なニュアンスの違いが存在します。「おいとま」が日常的な訪問先からの退席や一時的な辞去を指すのに対し、「暇乞い」は別れの挨拶を交わして長期間または永久に立ち去ること(退職、旅立ち、別離など)を意味するケースが多く、日常のちょっとしたお呼ばれで「暇乞いします」と使うと大げさな響きになってしまいます。