沙羅双樹の花言葉は怖い?釈迦入滅の歴史と夏椿に隠された驚きの真実

沙羅双樹の花言葉は怖い?釈迦入滅の歴史と夏椿に隠された驚きの真実

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沙羅双樹の持つ神秘性を語る上で避けて通れないのが、仏教開祖・釈迦の最期の瞬間です。仏教の伝承によれば、釈迦が80歳でインド北部のクシナガラの大地において涅槃に入った際、その床の四方に2本ずつ、計8本の沙羅の木が立っていたと伝えられています。仏教美術や経典において「四双八背(しそうはっぱい)」と呼ばれる極めて神聖な情景です。

お釈迦様 入滅の経緯を記した『大般涅槃経』などの仏典には、息を引き取った瞬間に起きた超常現象が記録されています。釈迦の死を悲しんだ沙羅の木々は、季節外れであったにもかかわらず一斉に花を咲かせ、その花はたちまち純白に変色して鶴の群れが羽を広げたかのように樹木全体を覆い尽くし、やがて悲嘆のあまり枯れ落ちたという伝説です。この情景から、沙羅双樹の生い茂る森は「鶴林(かくりん)」とも称されます。

ここで重要な疑問が生じます。植物学的に実在する仏教の三大聖樹 サラノキ(無憂樹・菩提樹・沙羅双樹)の花は、本当に白かったのでしょうか。実は、植物学の調査によって沙羅双樹の花の色 真相は「淡い黄色(クリーム色)」であることが確認されています。ジャスミンや柑橘類に似た甘く爽やかな香気を放つ小さな黄色い花です。

ではなぜ『平家物語』には「沙羅双樹の花の色」が盛者必衰の理を表すものとして描かれたのか。経典に書かれた「悲嘆によって花が白く変わった」という劇的な文学表現を、平安末期から鎌倉初期の日本の知識人たちが文字通り受け取り、日本の風景の中に落とし込んだ結果生じた、美しくも壮大な解釈のすれ違いであったことが浮き彫りになります。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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