問題は静止画やテキストだけに留まらない。近年、最も深刻視されているのが、本物と見分けがつかない映像を作り出すディープフェイク技術の悪用だ。
大御所スタントアクターやハリウッドのトップスター、トム・クルーズが「未発表の大作で前代未聞の危険な撮影を敢行した」とされる動画が短動画プラットフォームで拡散した。ヘリコプターから飛び降りるような迫力あるカットに、全世界のファンが歓喜した。だが、映像のフレーム解析を行った専門家は、顔の皮膚の微細な質感や影の向きに不自然なズレを発見。AIによって作られた偽動画だと断定した。
俳優本人の声や容姿が無断でコンテンツ化され、本人が関与していない作品の宣伝に利用される事例も後を絶たない。演技の権利や肖像権を揺るがすこの問題に、業界全体が危機感を強めている。