厨房で指揮を執るのは、自ら牛の健康管理から乳質の見極めまでをこなす酪農家・オーナーシェフである。朝一番に牛舎の空気を吸い、牛たちのコンディションを肌で感じ取る人間だからこそ、乳の水分量や甘みのわずかな変化をレシピへ瞬時に反映できる。
これは地域食材の文脈を皿の上に表現する「ローカルガストロノミー推進プロジェクト」の実践そのものだ。飼料の選定から堆肥の循環、そして最終的なスイーツへの昇華に至るまで、すべてのプロセスが一本の線で結ばれている。工業的な製品には真似のできない、風土(テロワール)の味がここにある。