「中二病」という言葉の元ネタ・由来については、現代の使われ方との間に決定的なギャップが存在します。この歴史的文脈を理解することは、サブカルチャーの変遷を紐解く上で欠かせない視点です。
言葉の誕生は1999年、タレントの伊集院光氏がパーソナリティを務めていたラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』内のコーナー「かかったかな?と思ったら中二病」に遡ります。当時の定義は、「因数分解が何の役に立つのかと教師に食ってかかる」「洋楽を聴き始めて邦楽を見下す」「コーヒーをブラックで飲みたがる」といった、思春期特有の背伸びや自己顕示欲を自虐的に笑うものでした。
しかし、2000年代半ばの匿名掲示板(2ちゃんねる)において、「自分には隠された力がある」「右目が疼く」といったオカルト的妄想を語る「邪気眼(じゃきがん)系」の書き込みが爆発的な流行を見せます。この現象を契機に、ネット上では「自虐的な思春期の行動」から「ダークファンタジー的な世界観に傾倒する精神性」へと意味の主軸が大きくシフトしていきました。