夫婦関係相談の現場において、ミッドライフクライシスは熟年離婚の隠れた最大の引き金となっています。当事者が抱える「人生の虚しさ」や「やり直したいという焦り」が、最も身近な存在である配偶者への不満として転嫁されるケースが非常に多いためです。
SNSや相談コミュニティには、以下のような生々しい当事者・配偶者の告白が溢れています。
「結婚して20年、何不自由ない生活のはずなのに、夫の顔を見るだけで息が詰まる。私の人生は家政婦で終わるのかと思うと発狂しそうになり、突然離婚届を突きつけてしまった」(51歳・女性の手記より)
「仕事も家庭も順調だったはずの夫が、50歳を過ぎて急に『本当の自分を生きたい』と言い出し、若い女性と失踪同然で家を出て行った。周囲は乱心したと言っている」(48歳・配偶者の相談より)
問題の本質は、「自分の内面で起きている存在論的危機」を「配偶者や現在の環境のせい」だと誤認してしまう点にあります。相手を変えても、自分自身の内面課題(人生の正午における統合)に向き合わない限り、新たなパートナーや転職先でも同じ虚無感を繰り返すことになります。