「昭和の神野寺のように、現在でも個人が千葉県内でトラを飼育して脱走させるリスクはないのか?」という懸念に対しては、現行の法制度が強固な防壁となっています。神野寺事件やその後の猛獣トラブルを契機に、動物の愛護及び管理に関する法律(動愛法)は段階的に大幅改正されてきました。
特に決定打となったのが、2026年(令和2年)6月1日に完全施行された法改正です。トラをはじめ、ライオン、クマ、毒ヘビなど人に危害を加えるおそれが高い生物は「特定動物」に指定され、愛玩目的(ペット)での新規飼育・保管が全国で一律完全禁止となりました。現在、特定動物を飼育できるのは、動物園や研究施設など極めて公益性の高い事業者に限定されています。
千葉県内において展示目的等で飼育許可を取得する場合でも、以下の厳格なハードルをクリアしなければなりません:
このように、現代の法制度下において「個人の庭からトラが逃げ出す」というシナリオは物理的・法的に極めて発生しにくくなっています。千葉県健康福祉部や各保健所による定期立ち入り検査も徹底されており、制度上の安全性は昭和の時代とは比較にならない水準へ引き上げられています。