網膜の異常は、発見されたタイミングによって治療の負担と視力予後が大きく異なります。
網膜が剥がれ落ちる前の「網膜裂孔」の段階で発見できた場合、外来通院で行える網膜裂孔レーザー手術(光凝固術)が適用されます。レーザー光線で裂け目の周囲を焼き固めて糊付けし、剥離への進行を水際で防ぐ治療法です。処置時間は約15〜30分程度で、入院の必要はなく当日に帰宅できます。
すでに剥離が進行してしまった場合は、外科的手術が必要不可欠となります。手術法は大きく分けて2種類あります。
- 網膜復位術(強膜内陥術):眼球の外側からシリコンスポンジを縫い付け、網膜を内側へ押し当てて接着させる方法。比較的若い世代や硝子体の牽引が弱い場合に選択されます。
- 硝子体手術:眼球内に微小な器具を挿入し、網膜を引っ張っている硝子体を切除した上で、ガスやシリコンオイルを注入して内側から網膜を圧着させる方法。近年の主流であり、極小切開手術の進化により手術時間が大幅に短縮されています。
網膜剥離手術入院期間は、術式や重症度、術後のうつ伏せ安静の必要性によって異なりますが、一般的に網膜復位術硝子体手術ともに数日から1〜2週間程度の入院管理となるケースが標準的です。手術成功率は初回で約90%以上と高い水準にありますが、一度剥がれた網膜の機能回復には限界があるため、早期治療に勝る対策はありません。