多くのアニメ視聴者にとって驚きとなるのが、フグ田タラオ(タラちゃん)に妹が存在するという事実です。彼女の名は「フグ田ヒトデ」。決してファンの創作や二次創作ではなく、原作者である長谷川町子氏本人の手によって描かれた正真正銘の公式キャラクターです。
ヒトデちゃんが初めて世に出たのは、1954年に文藝春秋より刊行された『漫画読本』創刊号に掲載された短編作品「サザエさん一家の未来予想図(サザエさん十年代の巻)」でした。このエピソードは、本編の連載開始から10年が経過した未来の世界を舞台に描かれています。
作品内に登場するヒトデちゃんは当時公称年齢でおよそ高校生(あるいは中学生前後)の容姿で描かれており、母親であるサザエさんや叔母にあたるワカメの幼少期に酷似したショートカットヘアーが特徴です。性格はお転婆で活動的、サザエの血筋を色濃く受け継いでいる様子がコミカルに描写されました。
なお、現在放映されているアニメ版『サザエさん』は時間経過のない「サザエさん時空(エターナル・サマーランド方式)」を採用しているため、劇中でヒトデちゃんが誕生する気配はありません。しかし、長谷川町子美術館のアーカイブや公式設定資料集にもしっかりと記録されている「公式なフグ田家の第2子」なのです。