事件の一報から捜査が進むにつれ、浮き彫りになったのは名門一族の壮絶な幕引き劇でした。現場には知人関係者に宛てた複数の書き置き(遺書)が残されており、そこには舞台関係者や近親者への謝罪とともに、特定の知人に対する全財産の相続希望や深い思慕の情が綴られていました。
司法の場において争点となったのは、自死を決意した経緯と両親の死への関与度合いです。起訴状および法廷での審理内容によると、週刊誌の報道を知った猿之助が家族会議を開き、「週刊誌に記事が出た。もうおしまいだ。みんなで死のう」という趣旨の話を持ちかけ、両親がこれに同意。猿之助自身が処方されていた睡眠導入剤を両親に飲ませ、ビニール袋を被せるなどして自殺を手助けしたと認定されました。
2026年11月17日、東京地裁は自殺幇助の罪に問われた猿之助に対し、懲役3年・執行猶予5年の判決を言い渡しました。裁判長が示した判決理由の骨子は以下の通りです。
裁判所は、短絡的な動機によって尊い両親の命を失わせた責任の重大さを厳しく指摘しつつも、被告自身が強い死意を抱いていたこと、親族からの宥恕(寛大な処分を求める声)や更生を支援する環境があることを考慮し、社会内での贖罪を命じた形です。