夏まゆみ氏の凄みは、周囲に体調の異変を一切悟らせない徹底した自己管理と強い美学にあった。関係者によれば、闘病中であっても彼女はレッスン場に足を運び、現役のダンサーや若手タレントに対して妥協のない指導を続けていたという。
「だるそうにしている姿や、弱音を吐く姿を見た者は一人もいませんでした」。当時、現場をともにしたスタッフは胸を熱くして振り返る。体調が急速に悪化していた時期であっても、スタジオに入った瞬間にその目には鋭い光が宿り、一人ひとりのステップや表情のわずかなズレを見抜いていた。自分自身の命の限界を察しながらも、教え子たちに注ぐ情熱は増すばかりだった。