テーピングの主目的は「損傷した靭帯にテンションがかからないよう可動域を制限すること」です。使用するテープには、がっちり関節をロックする非伸縮のホワイトテープ(幅19mmまたは25mm)と、適度な動きを許容する突き指テーピング用伸縮テープ(エラスティックテープ)があります。競技復帰時や関節の可動性をある程度残したい場合は伸縮テープ、受傷直後の完全固定には非伸縮テープと使い分けるのが合理的です。
1. 親指の突き指テーピング(MP関節・IP関節の固定)
親指は他の4指と構造が異なり、可動域が広いため固定には工夫が必要です。球技のブロックやボールの激突で痛めやすい付け根(MP関節)の側副靭帯を保護する手順は以下の通りです。
- 手首にアンカーテープを1〜2周軽く巻く(土台作り)。
- 親指の第一関節付近からスタートし、親指の付け根を通って手首のアンカーに向かって斜めにテープを引く。
- 反対側からも同様に交差させ、親指の付け根でテープが「X字(クロス)」を描くようにサポートする(フィギュアエイト)。
- 親指が外側や後ろ側に過度に開かないテンションを維持しながら、2〜3回重ねて手首のアンカーで止める。
2. 第一関節(DIP関節)の突き指テーピング
指先が強制的に曲げられて伸びなくなる「マレット指(槌指)」のリスクが高い部位です。関節が下向きに曲がるのを防ぐため、指をわずかに伸ばした(軽度伸展)状態で固定します。
- 幅19mmのテープを用意し、第一関節を挟むように上下にアンカーを1周ずつ巻く。
- 関節の腹側(手のひら側)に、下から上へ縦に1本サポートテープを貼り、指が曲がらないよう突っ張りを作る。
- 関節の横でテープをクロスさせながら、全体を軽く覆うようにスパイラル状に巻き留める。指先(爪)の色が白く変色しないよう締め付け強度に注意する。
3. 第二関節(PIP関節)の突き指テーピング
側副靭帯損傷や掌側板損傷が最も多発する部位です。左右のグラつきを抑えつつ、過伸展(後ろに反り返る動き)を防ぎます。
- 第二関節の上下(指の根元側と第一関節の手前)にアンカーを1周ずつ巻く。
- 痛む側の靭帯(内側または外側)の上で「X字」を描くように2本のテープをクロスさせて貼る。
- 関節の背側・腹側を補強した後、アンカーテープの上から再度1周巻いて端部を密着させる。
4. 小指の突き指テーピングと「バディテーピングの巻き方」
小指は外力に弱く単独での固定が難しいため、健常な隣の指(薬指)を添え木として利用するバディテーピング(隣接指固定法)が極めて高い効果を発揮します。
- 小指と薬指の間に、摩擦と汗によるかぶれを防ぐためのガーゼまたは薄いウレタンフォームを挟む。
- 第二関節の上下2箇所(関節の曲がる位置を避けて)で、小指と薬指を一緒に束ねるようにテープを2〜3周巻きつける。
- 指を曲げ伸ばしした際に、薬指の動きに連動して小指が自然に保護されているかを確認する。