熊本の広大な自然に囲まれた阿蘇カドリー・ドミニオンは、パンくんが生涯の大半を過ごしてきたホームグランドだ。現役時代、彼の非凡な知性と魅力を引き出した第一者であり、長年連れ添ったアニマルトレーナーの宮沢厚園長との関係性は、引退した現在も決して変わることはない。
宮沢厚園長は、単なる飼育員と動物という枠組みを超え、強い信頼と愛情でパンくんを包み込んできた。引退後、パンくんが群れの中でのコミュニケーションや野生本来の行動パターンを取り戻せるよう、環境エンリッチメントの導入や過ごしやすい空間作りに注力。言葉を交わさずとも通じ合うふたりの静かな交流は、長年彼らの歩みを見守ってきた人々の胸を打つ。