福田和子の逮捕後、そして彼女の獄中死前後に放送された報道ドキュメンタリーや週刊誌の独占取材において、長男は顔を伏せながらも重い口を開き、自らの生い立ちと母親に対する複雑な感情を吐露しています。
長男が語った言葉の中で特に印象的だったのは、「母親を恨み、軽蔑しながらも、どうしても完全に切り捨てることができなかった」という生々しい葛藤です。石川県の旅館で合流した際、福田は久しぶりに会った息子を抱きしめて涙を流したとされます。犯罪者であると分かっていても、自分に注がれた母親としての情愛を前にして、警察に通報することは精神的に不可能だったと明かしています。
福田和子が獄中で執筆した手記『涙の谷』や関係者への書簡の中にも、息子に対する異常なまでの執着と謝罪の念が綴られていました。しかし長男にとって、母の死は「ようやく呪縛から解放された瞬間」であると同時に、「一生消えない十字架を一人で背負い続ける日々の始まり」でもあったのです。現在も被害者遺族への贖罪の念を忘れることなく、ひっそりと手を合わせ続ける日々を送っています。