「三種の神器はどこにあるのか」という問いに対しては、実は3箇所に分散して保管されているというのが正確な事実です。すべてが皇居の一箇所にまとまっているわけではありません。
それぞれの現在地と保管形態は以下の通りに確立されています。
八咫鏡(本体):伊勢神宮内宮(皇大神宮)
第10代崇神天皇の時代、神威が強すぎることを理由に宮中から出され、各地を巡った後に三重県の伊勢神宮に鎮座しました。20年に一度行われる式年遷宮の際も、神宝は夜間の暗闇の中で厳重に移御されます。
草薙剣(本体):熱田神宮
ヤマトタケルノミコトの伝説を経て、愛知県名古屋市の熱田神宮に御神体として祀られています。
八尺瓊勾玉(本体):皇居・御所(剣璽の間)
勾玉だけは唯一、神話の時代から宮中を出ることなく、皇居内の天皇陛下の日常の住まい近くにある「剣璽(けんじ)の間」に安置されています。
ここで疑問が生じます。本体が伊勢と熱田にあるならば、即位の儀式で用いられる剣や鏡は何なのでしょうか。その答えが「形代(かたしろ)」の存在です。
古代の朝廷は、宮元を離れた鏡と剣の代わりとして、精密な分身である「形代」を製作しました。皇居の宮中三殿(賢所)には八咫鏡の形代が、御所の剣璽の間には草薙剣の形代が安置されています。神道においては「形代であっても本体と同等の神霊が宿る」と考えられており、儀礼上も本体と全く同格の神器として扱われています。