長年信じられてきた「なすは水にさらしてアク抜きすべし」という調理の常識。近年の食品科学研究では、新鮮ななすであれば長時間の水さらしは不要であり、むしろ旨味成分とポリフェノール(ナスニン)の流出を招くことが明らかになっています。
油っこさを防ぎながら旨味を閉じ込めるプロの技法は次の2ステップです。
- 塩振りと脱水:切ったなすに塩少々を振って5分置き、表面に浮き出た水分をペーパーで拭き取る。これだけで油の吸収孔が塞がれ、吸油率を30%以上抑制できる。
- レンジによる下加熱:炒める前に電子レンジ(600Wで1分30秒〜2分)で軽く加熱し、細胞構造をあらかじめ熱変性させておくことで、少量の油でも短時間でトロトロの食感に到達する。
ピーマンの苦味を抑える切り方の科学も明快です。ピーマンの繊維は縦方向に走っているため、「縦の細切り」にすることで細胞の破壊を最小限に抑え、苦味を出さずにシャキッとした食感をキープできます。逆に甘酢炒めなどタレを染み込ませたい場合は、乱切りや横切りにして断面を広げるなど、料理の目的に応じた切り分けが重要です。