現場を共にした制作スタッフや下請け会社のディレクターたちは、A氏についてどのような印象を抱いていたのでしょうか。複数の関係者から寄せられた証言は、功罪両面を浮き彫りにしています。
「企画を立ち上げる嗅覚や、スポンサー・芸能事務所との交渉力はずば抜けていました。彼が主導する企画なら通るという絶対的な空気感があり、現場を引っ張るカリスマ性があったのは事実です」(キー局番組制作関係者)
一方で、その強いリーダーシップの裏返しとして、現場への過度なしわ寄せが存在していたことも語られています。
「意見の合わないスタッフを露骨に外したり、深夜まで及ぶ執拗なダメ出しが日常茶飯事でした。『面白いものを作るためなら何をしても許される』という旧態依然とした価値観が抜けきっておらず、若手や外部スタッフは常に顔色を窺って萎縮していました」(制作会社ディレクター)
結果を出し続けることで局内での発言力を強め、周囲が異を唱えられなくなる「権力の集中」が、トラブルを深刻化させた大きな要因であったことが窺えます。