ガーデニングを始めた都市部居住者が、後になって最も途方に暮れるのが「使用済みの土をどうやって捨てるか」という出口問題です。マンションのベランダガーデニングブームの裏で、不要になったプランターの土がベランダの隅に山積みになっている光景は珍しくありません。
結論から述べると、園芸用の土の捨て方は自治体によって厳しく制限されており、大半の都市部自治体で「燃えるゴミ」や「不燃ゴミ」として収集されません。行政の法的位置づけにおいて、土や石、砂は廃棄物処理法上の「ゴミ(一般廃棄物)」ではなく「自然物・鉱物」とみなされます。焼却炉の燃焼温度を下げて設備を痛める原因になり、最終処分場の埋め立て枠を圧迫するため、東京都23区の多くや政令指定都市では「適正処理困難物」として回収対象外に指定されています。
自治体のルールを調べずにゴミ集積所へ放置することは、不法投棄として法令違反に問われるリスクがあります。不要になった園芸用の土の処分方法には、以下の現実的なルートが存在します。
第1の選択肢は、一部の自治体が実施している「指定拠点回収」の利用です。例えば、東京都豊島区や練馬区など一部の市区町村では、月に数回の指定日に限り、1回につきバケツ数杯分までの園芸土を公設リサイクルセンターで無料回収する先進的な取り組みを行っています。まず居住地域の清掃事務所公式窓口へ問い合わせることが鉄則です。
第2の選択肢は、「ホームセンターの引き取り回収サービス」の活用です。ジョイフル本田、カインズ、島忠などの大手ホームセンターでは、同店で新しい培養土を購入したレシートを提示することで、購入同等量の古い土を無料で引き取る回収ボックスを設置している店舗があります。持ち込み条件(乾いた状態、草の根やゴミを取り除く等)が定められているため、事前の店舗確認が欠かせません。
第3の選択肢は、専門の不用品回収業者や園芸土回収サービスの利用です。費用は土の重量10kgあたり500円〜1,500円程度かかりますが、玄関先まで集荷に来てくれるため、車を持たない集合住宅在住者にとっては有力な解決手段となります。