看板すらない路地裏の雑居ビル2階。開店30分前から静かな熱気を孕んだ行列ができる。お目当ては、1日わずか15食限定の「蔵出し熟成豚の重厚とんかつ膳」だ。店主が毎朝仕入れる地元産のブランド豚を独自の低温調理でじっくり揚げ、口に含むと肉汁が爆発するように溢れ出す。地元の常連客が「他人に教えて行列が伸びるのが怖い」と声を潜めるのも納得の仕上がりだ。
一方、地元民が絶賛する絶品和食から話題の新店、穴場のおしゃれカフェまで、今の郡山には圧倒的な食の幅広さがある。特に午前中で完売してしまう知られざる行列店の限定メニューには、地場産の新鮮食材を贅沢に使い切り、採算度外視で提供するという職人のこだわりが隠されている。ひとくち味わえば、その並々ならぬ情熱がダイレクトに舌へ伝わってくる。