若槻千夏(本名・栗原千春)が芸能界へ足を踏み入れたのは、高校生だった2001年の夏のことです。友人と連れ立って訪れていた渋谷「SHIBUYA 109」の路上でスカウトされたことがすべての始まりでした。父親が井の頭線の運転士というごく普通の家庭で育った少女は、瞬く間にエンタメ業界の最前線へと引き上げられることになります。
当時のグラビアアイドル界といえば、癒やし系や正統派美少女がひしめく群雄割拠の時代。その中で若槻千夏が放った存在感は異質かつ鮮烈でした。健康的なプロポーションはもちろんのこと、最大の武器となったのは、当時のギャルカルチャーを体現した明るい茶髪に快活な笑顔、そして飾らない親しみやすさです。雑誌のグラビアを飾るたびに完売が相次ぎ、若槻千夏の若い頃の写真は瞬く間に若者たちの部屋や携帯電話の待ち受け画面を席巻しました。
やがて活動の場は誌面からテレビ画面へと移ります。当時全盛を誇っていた数々のゴールデンタイムのバラエティ番組において、いわゆる「おバカタレント」や「ツッコミ役」として唯一無二の立ち位置を確立。どんな大御所芸人相手でも臆せず懐に飛び込む反射神経の良さは、単なるアイドルグラドルの枠を完全に超えていました。10代後半から20代前半にかけての彼女は、名実ともに時代の寵児としてテレビで見ない日がないほどの多忙を極めていたのです。