まず押さえておくべき基本事実は、株式会社クレハが展開する「NEWクレラップ」と、旭化成ホームプロダクツが製造販売する「旭化成サランラップ」のフィルム本体の主原料です。両雄ともに採用しているのはポリ塩化ビニリデン(PVDC)という高機能プラスチック素材。公表されている耐熱温度比較を確認すると、両製品ともに耐熱温度は140℃、耐冷温度は-60℃と完全に一致しています。
この数値が持つ実用上の意味は極めて重大です。一般的な家庭用電子レンジでの調理において、カレーやミートソース、豚の角煮といった油分を多く含む食品を再加熱すると、部分的に130℃以上の高温に達します。耐熱温度が110℃程度にとどまる安価なポリエチレンラップとの違いはここにあります。ポリ塩化ビニリデンを使用した2大ブランドであれば、油分の跳ねによるフィルム溶断を防ぎ、電子レンジ加熱安全性を高い次元で維持できるのです。
さらに注目すべきは密着性とバリア性の高さです。ポリ塩化ビニリデンは分子構造が緻密であり、酸素を通しにくい「酸素バリア性」はポリエチレンの約200倍に達します。水分が逃げにくいため食材の乾燥を防ぎ、ニンニクや魚といった強い臭気も外に漏らしません。つまり「食品を長持ちさせ、冷凍やレンジ加熱でも事故を起こさない」というフィルム自体の基礎体力においては、両者は完全に互角の横綱相撲を展開しています。