ふたりのコラボレーションは、単なる企画モノの枠には収まらない。創作の裏側を探ると、互いの原稿に対する並々ならぬ敬意と、徹底した推敲のプロセスが浮き彫りになる。打ち合わせの場で交わされる他愛もない雑談の中から、突如として奇跡的な一行が生まれることも少なくないという。
又吉直樹が持つ文学的感性と、せきしろの研ぎ澄まされた視線。二人の対話は、互いの孤独を静かに確認し合う作業でもある。創作の現場では、一行の言葉の響きや句読点の位置にまで細心の注意が払われる。表面の軽妙さとは裏腹に、そのリアルな制作過程は妥協のない厳密な文学的実験そのものなのだ。