利用者の裾野が劇的に広がったことも、街中で整形経験者を見かける機会が増えた要因です。かつて20代から40代の女性が中心だったクリニックの待合室には、いまや制服姿の学生やスーツ姿のビジネスパーソンの姿が当たり前のように見られます。
教育現場や家庭内における美容整形低年齢化の真相を探ると、親世代の意識変化が色濃く反映されています。昭和・平成期には「親からもらった体に傷をつけるな」という倫理観が根強く存在しました。しかし、自らもアイプチやプチ整形の経験を持つ保護者が増えたことで、「アイプチで毎朝何十分も苦労してまぶたを荒らすくらいなら、安全な医療機関で二重にしてあげたい」と、高校生の我が子に施術をプレゼントするケースが珍しくなくなりました。
同時に凄まじい勢いで市場を牽引しているのが、メンズ美容医療需要拡大です。都市部のクリニックにおける男性患者の割合は年々増加しており、ヒゲ脱毛にとどまらず、目の下のクマ取り(経結膜脱脂術)や肌の凹凸を整えるダーマペン、エラボトックスなどの施術が支持されています。「商談時の第一印象を良くしたい」「清潔感を保ってビジネスで信頼感を得たい」という極めて実用的な動機から、30代から50代の男性管理職層までもがクリニックへ足を運んでいます。
こうした広がりを後押ししているのが、整形カミングアウト意識変化です。SNS上では自身のダウンタイムの経過を包み隠さず発信するインフルエンサーが数百万の再生回数を記録し、芸能人美容整形公表トレンドがメディアを賑わせています。かつてのように「整形疑惑」と週刊誌にスクープされる時代から、自ら「ここを整えました」とオープンに語ることで、誠実さや自己プロデュース力の高さとして称賛される時代へと価値観は180度転換しました。