岩手県を旅する魅力は、豊かな民俗学と文学の息吹を肌で感じられる点にもあります。
柳田國男の『遠野物語』の舞台として知られる遠野市は、古くから語り継がれる民話の里。常堅寺の裏手を流れる小川には遠野 カッパ伝説が息づく「カッパ淵」があり、現在でも「カッパ捕獲許可証」を手にした観光客がきゅうりを竿にぶら下げてカッパ釣りを楽しむユニークな体験が親しまれています。茅葺き屋根の曲り家が並ぶ伝承園や座敷わらし伝説など、日本の原風景に出会える貴重なエリアです。
また、岩手県を愛し、その自然と風土を「イーハトーブ(ドリームランドとしての岩手)」と呼んだのが宮沢賢治です。花巻市にある「宮沢賢治童話村」や「宮沢賢治記念館」では、賢治が描いた宇宙観や童話の世界観を五感で体感できます。盛岡市にある光原社は、名作『注文の多い料理店』が出版された地であり、現在は美しい中庭を持つ民藝店・喫茶として多くの文化ファンが訪れる聖地となっています。