多くの検討者が最初につまずくのが、「買ったあとにいくらかかるのか」というコストの現実だ。初期の生体価格が80万円だったとしても、それは始まりにすぎない。実際の年間飼育費用は、最低でも年間40万円から70万円程度を見込む必要がある。毎日の食事となるチモシーやアルファルファといった高質な牧草、ミネラルを補給する鉱塩、栄養調整の配合飼料だけで年間15万〜25万円は手堅く消えていく。
さらに見落とされがちなのが、いわゆる「隠された維持費」の存在だ。馬は爪が伸び続けるため、4週間から6週間ごとに専門の装蹄師による削蹄(爪切り)が必須となる。これだけで年間10万〜15万円の出費だ。加えて、排泄物の処理費用やおがくずなどの敷料代が年間10万円以上。さらに年に数回の虫下し(駆虫薬)や定期的なワクチン接種、そして馬特有の歯の削り込み作業(浮歯処置)など、日常的なヘルスケアコストが積み重なる。突発的な体調不良を想定すれば、年間の維持費は80万円を超えてくる計算だ。