煮干しだしの仕上がりを決定づけるもう一つの要素が、水と煮干しの配合バランスです。濃すぎれば魚臭さが前面に出てしまい、薄すぎれば味噌や醤油の強い風味に負けてしまいます。
老舗鰹節店や和食の調理科学データが導き出した黄金比は、「水に対して煮干し2%〜3%」です。一般的な家庭料理では、水500mlに対して煮干し10〜15g(中サイズで4〜6尾程度)、水1Lであれば20〜30gが理想的な抽出比率となります。
生臭さを完全に遮断し、香ばしい風味を最大限に引き出すための裏技として知られるのが「フライパンでの乾煎り(からいり)」です。油を引かないフライパンに、頭とハラワタを取って二つに割った煮干しを入れ、弱火で2〜3分ほど軽く揺すりながら加熱します。これにより、表面に残った微量の酸化臭や水分が蒸発し、香ばしいアミノ酸と糖の反応(メイラード反応)によるピラジン類が生成され、仕上がりの香りが別次元へと引き上げられます。